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知行 村役 初期能力詳細情報 名前 碓氷仙千代 職業 巫女 ---- ---- 腕 力 2 土属性 5 耐久力 17 水属性 9 器用さ 7 火属性 5 知 力 15 風属性 1 魅 力 15 水田適正 --- 畑適正 2 林地適正 2 牧場適正 6 鉱山適正 4 漁場適正 --- 工房適正 --- 村適正 3 市適正 8 櫓適性 --- 堤防適性 --- 南蛮寺適性 --- 寺社適性 --- 官位の必要性 不明 働きぶり 問題なし 仕事の成果 とても期待 成長 Lv 腕 耐 器 知 魅 土 水 火 風 水田 畑 林地 牧場 鉱山 漁場 工房 村 市 櫓 堤防 南 寺 *7 9 *9 7 9 13 25 58 41 64 66 35 63 35 7 2 2 7 5 3 10 18 35 76 56 85 88 47 85 47 9 2 2 8 5 4 10 19 37 80 58 89 92 50 90 50 10 2 2 8 5 4 11 25 49 101 77 114 118 65 117 65 13 2 2 9 6 4 12 26 52 105 79 118 124 67 121 67 13 3 3 9 6 4 12 特記事項 レベルアップでの適正変化など分かりましたらお書き下さい。 名前 コメント
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立花誾千代へ戻る 直虎と邂逅 誾千代「貴様、いい戦いぶりだな」直虎「いえ…私なんて、そんな… 誾千代さんの足元にも及びません」直虎「誾千代さんは、素敵です!」誾千代「う…ああ…ありがとぅ」 - 名無しさん 2012-09-23 11 58 56 イベント「隠れ蓑」…「宗茂もたいがいだ」→立花宗茂上昇、「誾千代の本質は~」→上昇 - 名無しさん 2012-10-04 15 10 20 イベント「誾千代と猫」…「引き受ける」→変化なし - 名無しさん 2012-10-04 15 35 08 風魔小太郎と接近 一般会話?小太郎「クク・・・我は風。何人にも斬れぬ」誾千代「それはどうかな。我が太刀は雷をも斬るぞ」ちなみにシナリオは豊臣の章柳川攻防戦です。 - 名無しさん 2012-10-20 21 52 16 一応普通の邂逅として反映させておきました。違っていたら指摘・修正お願いします。 - 名無しさん 2012-10-20 22 51 41 一般味方接近 戦場に華は要らぬ、誇りのみでよい! - 名無しさん 2012-10-23 17 20 56 孤高の限界は金ヶ崎撤退戦 浅井・朝倉軍でも出たのでステージ限定ではないんじゃないかな - 名無しさん 2012-11-13 17 37 10 島津義弘を誉めるセリフは『戦屋、貴様にばかり手柄はやらぬただったと思います - 名無しさん 2012-11-14 15 32 48 正則 - 名無しさん 2014-07-15 00 55 58 「孤高の限界」が関東三傑対天下三傑でも発生しました。親密です - 名無しさん 2016-01-30 00 46 11 仇敵との勝負、関ヶ原の戦いでも発生しました。親密です。 西軍、東軍かは忘れました。 スミマセン - 名無しさん 2018-03-17 11 47 40
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公認の審判兼動画撮影者です。 基本的に撮りたい試合の部屋主に青を送って好きにとって良いです。 ただし2名以上の撮影は禁止します。素直に他の部屋を撮りましょう。 試合に参加してる方でも負けた場合その次から審判兼撮影隊になってくれる、という方歓迎です。 動画を撮影しましたら24 00までを目安に早さ重視でファイルバンクにあげてください。 初戦から最後まで撮っていただける方はムリでしょうが、なるべくがんばってください。 なお、あげられた動画はニコニコにあげようがzoomeにあげようが好き勝手やって構いません。 ファイル名はたとえば1回戦めあvsRJRの試合なら、 千代大会2_1回戦_めあvsRJR 上のようにしてください。統一してください。 ファイルバンク pass bobobo 撮影隊 Pakun pu-tin sabao Satsuei santa_girl -0 makiba .
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望 「紡を、探してみようと思う」\ ユウ 『紡? ああ、お友達のことですか。でも、その人は男なんじゃ……ま、まさか』\ 望 「違うわっ! 妙な想像をするな!」\ ユウ 『じゃあ、どうしてですか?』\ 望 「……それは」\ 冬木さんの悲しそうな顔が、どうしても脳裏に焼きついて離れないから。\ 望 「つ、紡はもてるやつなんだよ。もし一緒に学校に行けたら、おこぼれで一個くらいもらえるかもしれない」\ なんてことは言わず、適当な理由をでっち上げた。\ ユウ 『そうなんですかぁ』\ 望 「ああ、そうなんだよ」\ あながち嘘というわけでもない、もしかしたらそんな可能性もなくはない。\ 何にせよ、行動を開始するのは明日からだ。\ 俺は、冬木さんのことを思い返しながら眠りについた。\ ;・ループA 四回目の二月十四日。\ もうループしてることに驚かない。\ 望 「電話は……繋がらないか。携帯の電源切ってたら、意味がないだろうが」\ 六時四十四分、やはり電話は繋がらなかった。\ ユウ 『まずはどうするんですか?』\ 望 「あいつの家に行こうと思う」\ もしかしたら、何か理由があって引きこもっているという可能性もある。\ ユウ 『確か、友人さんは今まで学校を休んだことがなかったんでしたっけ』\ 望 「そうなんだよ。だから絶対に理由があるはずなんだ」\ 俺は手早く一階に降りて準備を整え、朝食を胃に押し込んで。いつもより二十分程早く家を飛び出した。\ ;背景 通学路 望 「でも、あいつの家に行ったことって片手で数えられるくらいしかないな……」\ ユウ 『友達なのにですか?』\ 望 「どうも、うちに来たがるんだよな。あいつは……」\ それか、ゲーセンなんかに遊びに行ったりとか。 そういうのばっかりだった。\ 望 「まあ、場所はしっかり覚えてるから問題ないさ」\ いつもの交差点を右に曲がり、真っ直ぐ五分程歩いたところで立ち止まる。\ ユウ 『ここですか』\ 望 「ああ」\ 別に特筆するべきこともない、普通の一軒家だ。\ 少し躊躇をしてから、チャイムのボタンを押す。\ すると、十秒くらいしてから、小学校高学年くらいの女の子がドアの隙間から顔を覗かせた。\ ? 「どなたですかー?」\ 望 「あ、優ちゃんおはよう。紡いるかな」\ 優ちゃんは、歳の離れた紡の妹で、暴走しがちな兄を支えるいい妹さんだ。\ 優 「天宮さんですかー? 兄ちゃんは、結構前に気合いれて出かけましたよー」\ 望 「え、出かけてたのかあいつ……。気合を入れてって、どういうこと?」\ 優 「さあー、なんかやたらと髪型を気にしてたり、普段つけない香水とかつけたりしてました」\ 望 「髪型……香水……」\ 優 「あのー、もういいですか? あたしも学校に行く準備しないとー」\ 望 「あ、うん。ごめんね優ちゃん。ありがとう」\ 優 「いえいえー」\ そして扉が閉められ、俺はしばらくその場で思案していた。\ ユウ 『うーん……』 望 「髪型や香水を気にしてたってことは、誰かに会いに行ったって可能性が高いな」\ ユウ 『うーん』\ 望 「お前は何か考えがあるか?」\ ユウ 『あの子、可愛いですね』\ 望 「お前はロリコンかっ!! お前の問題でもあるんだから真面目に考えろ!」\ ユウ 『あ、はい! すいませんすいません!』\ ったく、ロリコンの幽霊ってどれだけ性質が悪いんだよ……。\ 望 「しかし、今から探し回ってる時間はないか。もう学校に行かないとな」\ ユウ 『ループしてるんですし、行かなくてもいいんじゃないですか?』\ 望 「あのな、ひょんなことでチョコもらえることもあるかもしれないだろ? そうしたら次は普通に十五日がやってくるんだ。サボるわけにはいかないよ」\ ユウ 『なるほど、先のことも考えなきゃいけませんもんね』\ 望 「そういうこと」\ ……本当は、冬木さんのことが気になるんだけどな。\ ;背景 学校前・校門 今日は時間がいつもより早かったせいか、先輩と会うことはなかった。\ また猪木を聞かされるのは御免だし、次のループからも出来るだけ早めに来ることにしよう。\ ユウ 『あの人は、親しげな感じでしたけど』\ 望 「いや。あの人にこそ……希望はないと俺は思う」\ もう、勘違いで傷つくのは御免だ。\ ;背景 教室 しかし、教室に来てもやることが無いな。\ 車輪の下は既に読み終わってしまったし、鞄の中の本を入れ替えるのを忘れてしまっていた。\ 望 「しばらく寝るか……」\ ユウ 『クラスメイトの女の子にチョコをねだってみたりとかはどうですか?』\ 望 「そんなことでチョコもらっても、それから学校に行きにくくなるだろうが……」\ 千代 通常 千代 「あ、天宮くん。誰に向かって話してるの?」\ 望 「わぁぁっ! っとぉ! べ、別に何でもないよ!」\ 何で俺はここで冬木さんが話しかけてくることを忘れるかな!\ しかも今度は本を朗読してたなんて言い訳は出来ないぞ、ど、どうする?\ 千代 「何でもなさそうには見えないんだけど……」\ ああ、何かかわいそうなものを見る目で俺を見つめないで……。\ 望 「うん、でも忘れてくれると嬉しいなっ」 千代 「……わかった、そうするよ。それじゃ、えっとさ、天宮くんに聞きたいことがあるんだけど……」\ 望 「あ、ああ。紡のことね。紡なら今日は来られないっぽいんだよ!」\ 途端、冬木さんの頬が真っ赤に染まった。\ ; 千代 照れ 千代 「な、ななななななな何で紡くんのこと聞こうとしてたって、知ってるのっ!?」\ 望 「え? ……あ! いやその、えーっと」\ しまった。テンパってとんでもないことを言ってしまった。\ 望 「か、顔に書いてあったから、かな?」\ 千代 「ええっ!」\ 冬木さんが、ぺたぺたと自分の顔を触りまくる。\ 千代 「えっ、本当に? わかんない、なんでっ! まだ誰にも話してないのに おかしいよこんなのーっ。ううーーー!」\ やばい、焦っている冬木さん可愛い。 でも、さらに混乱させてどうするよ俺の馬鹿野郎。\ 望 「あーそのほら! 今日はその、バレンタインだし。やっぱりそういうことかなって。やっぱり紡の傍にいるとさ、そういうことも目につきやすいんだよ」\ しどろもどろになりながらの必死な言い訳。\ ;千代 怒り 千代 「ほんとにほんと? 実は、二人とも知ってて私を笑いものにしてるってこと、ないよねっ」\ 望 「な、ないない。そんなことは絶対にないから、本当に!」\ 千代 「神に誓って?」\ 望 「誓う誓う」\ 千代 「キリストにも、アッラーにも、釈迦にも誓える?」\ 望 「誓うよっ。メッカの方向に十字切りながら念仏だって唱えるから!」\ 千代 「あと、そう、ボルトの足にも誓える?」\ 何故世界的アスリートの足に誓わねばいけないんだろう……?\ 望 「あのさ、俺ってそんなに信用ないかな」\ ;千代 通常 千代 「え、あ。そういうわけじゃないんだけど。ただ、天宮くんってあまり話したことなかったし」\ 望 「うん、確かにそうだね。でもさ、本当に今のは勘が働いただけなんだ」\ 千代 「そっかぁ」\ 望 「そうだな、じゃあ……。神なんかより、紡に誓ってってのはどうかな」\ 俺がそういうと、冬木さんは一瞬呆気にとられてから、破顔した。\ ;千代 笑顔 千代 「……あははっ。それは、信じないわけにはいかないねっ」\ ;千代 通常 「でも、そっか。紡くん、今日は休みなのかぁ……」\ あまり表には出さないけれど、本当に残念そうな声音だった。\ それだけ、紡への思いが大事ということか。\ 俺は、そんな冬木さんの顔を見て――。\ 1:余計なことはしない方がいいと思った 2:もう少し、冬木さんのために頑張ってみようと思った ・1選択肢後 最初の三択に戻るルート 俺が、入り込む余地はもうないと感じた。\ やはり俺は余計なことをしようとしているんじゃないかと。\ 千代 「天宮くん、ありがとう。……あ、あと、おはよう。挨拶もしてなかったのに、変なことばっかり言ってごめんね」\ 望 「いや、気にしないで」\ 千代 「それじゃねっ」\ 望 「……うん」\ それからは、特に何をするでもなくぼーっとして過ごした。\ ;背景 部屋 ユウ 『どうしたんですか? 朝から元気ないですけど』\ 望 「ああ、いや。やっぱり紡を探すのはやめにしようと思う」\ ユウ 『それはまた、何で急に?」\ 望 「ちょっと、考えるところあったんだよ……」\ 冬木さんの為を思うならば、余計なことはせずにおくべきだ。\ 望 「まあ、まだアテはあるさ」 俺は明日からどうしようかと考えて――。 1:ももルート選択肢 2:明日香ルート選択肢 ・2選択肢後 千代ルート継続 もう少しだけ。頑張ってみようと思った。\ 冬木さんの為だけでなく、紡の為だけでなく、何より自分の為に。\ 千代 「天宮くん、ありがとう。……あ、あと、おはよう。挨拶もしてなかったのに、変なことばっかり言ってごめんね」\ 望 「いや、気にしないで」\ 千代 「それじゃねっ」\ 望 「うん、それじゃ」\ 俺には、まだこれ以上会話を広げられる話題も。 その勇気も無い。今はまだ、その時じゃないんだ。\ 俺は、これからの為に一層決意を固めた。\ ;背景 通学路 望 「しっかし、何度も同じ授業を聞くのは退屈以外のなにものでもないな」\ ユウ 『いいじゃないですか、復習になるし』\ 望 「しっかし、一度とったノートもリセットされるからな。面倒だよ本当に……」\ ユウ 『ま、まあまあ。気を取り直して、紡さんを探しに行きましょうよ」\ 望 「ああ。そうだな」\ しかし、探すといってもどこに行けばいいのか。\ とりあえず、あいつと良く遊びに行く場所を重点的に回ってみるとするか……。\ 母さんには悪いが、今日も野菜は買って帰れそうもないな。\ ;背景 真っ黒 それから、ゲーセンやCDショップ。\ 紡の良く行くスポーツ用品店など思いつく限りを回って話を聞いてみたりしたものの、紡の足取りは全く掴めなかった。\ ;背景 繁華街 ユウ 『そういえば』\ 望 「なんだ?」\ 時刻は六時過ぎ。\ 俺は冷えた手を温めるために、先ほど買った缶コーヒーを両手で握りこんでいた。\ ユウ 『望さんって、女の子が苦手だったりしないんですか?』 望 「……苦手だよ。いつだってキモがられるんじゃないかって、びくびくしてる」\ ユウ 『でも、あの……冬木さん、でしたっけ。あの人とは、普通に話せてるじゃないですか』\ 望 「あのな、俺だって必死なんだよ。あそこでどもったり、黙ってたりしたら余計失礼なことになるだろうが」\ ユウ 『なるほど。頑張ってるんですね……』\ 望 「…………」\ 頑張ってなんかいない。\ 俺が話せるのは、相手がから話しかけてきてくれた時だけだ。\ 望 「しかし、もうこんな時間か」\ ユウ 『僕にはわかりませんけれど、寒いんじゃないですか? 今日は諦めた方がいいんじゃ……』 ユウの言葉を考慮して、俺は判断した。\ 1:いや、やはりまだ探し続けよう 2:そうだな、今日は帰ろう ・1選択 ループA’へ向かうルート ・2選択 ループBへ向かうルート ・1選択後 望 「いや、まだ諦めるには早いよ。一度行った場所にも、今ならいる可能性もある」\ ユウ 『望さんがいいのなら、僕はいいんですが』 望 「ああ、俺がいいって言ってるんだ」\ それからは、時間を忘れて歩き回っていたと思う。\ 母さんには遅くなるとメールで伝えてあるが、家で一人の母さんを思うとやはり悪いなという気分になった。\ しかし、今この世界はループしている。 ならば一度徹底的に、この二月十四日の現状について洗い出してみるべきだと考えた。\ 望 「おいおい……霧にでもなったのかあいつは」\ 時刻は既に十時に迫ろうとしている。\ 休憩はいくらか挟んできたが、流石に限界だ。\ 望 「もう、この辺りで探してない場所はないんだけどな」\ しかし愚痴っていてもも仕方ない。\ 今日のところは、さっさと帰って休もう。 ループしてるとはいえ、疲れは蓄積するのだから。\ ;背景 部屋 母さんはいつも寝るのが早く、十時にはベッドに入っていることが多い。\ 夕食は外で済ませた為、暖めて食べてねとメモのあったチョコカレーはそのままにしておいた。\ ごめんなさい、でも出来るのなら食べたくないんです……。\ ・ループA’へ ・ループA’ ;背景 部屋 六時四十分。\ 人間の生活のリズムはそう簡単に崩せるわけもなく、俺はいつも通りの時間に起きた。\ 昨日の疲れが残っているせいか、少し頭がぼーっとしている。\ 望 「……電話は、出ないか」\ やはり、紡は電話には出なかった。\ ユウ 『そんなの、ループしてるんだから当たり前じゃないですか』\ 望 「一応の保険だよ……。もしかしたら一分だけ電源をつけてたとか、そんな可能性だってあるかもしれないだろ」\ 本当は寝ぼけてただけです。\ ;背景 真っ黒 さて、朝の描写については、何度も繰り返し見ても退屈だろうから割愛させてもらう。\ ;背景 通学路 ユウ 『今日は、どうするんですか?』\ 望 「紡の家に行っても意味ないだろうし、今回は学校まで適当に近場を探すさ」\ 朝に探せば、また何か違った発見があるかもしれない。\ ユウ 『えぇ……優ちゃんに会いたいな……』\ 望 「だまれっ! このロリコンっ!」\ ユウ 『もう、何かりかりしてるんですか~』\ 望 「同じ日を繰り返させられたら、誰だってかりかりするわっ!」\ ユウ 『気をつけてくださいよー。ループしてるからって、死んだら終わりなんですからね』\ 望 「わかってるよ」\ ユウ 『望さんって、キャラ的に『避けろナッパァ!』って言われても、避けきれずに死にそうなキャラですもん」\ 望 「何その役回り!?」\ 酷い雑魚キャラ扱いされてる!\ ………………\ …………\ ……\ それから、適当に雑談をしながら繁華街の方を探したが、見つかることはなかった。\ ;背景 教室 しかし、多少人目を気にせずにユウと会話するようになってきてるのはやばいな。\ いつか精神科につれていかれることになるかもしれない。\ 望 「はぁ~……」\ しかし、疲れが溜まっている。\ 俺が本を開くこともなく机に突っ伏していると、冬木さんが少し心配げに声をかけてくれた。\ ;通常 千代 「天宮くん、大丈夫? 何か疲れてるみたいだけど……」\ 望 「冬木さん、俺って雑魚キャラっぽいかな?」\ 千代 「えっ、そんなこと言われても困るんだけど……。雑魚キャラってどういうこと?」\ 望 「ううん、何でもない。変なこと言ってごめん。……冬木さんは、紡のことが聞きたいんだよね」\ 千代 「なっ、ななななななななんで知ってるの!?」\ せっかくのループなので、俺はまた冬木さんの可愛いところを見せてもらうことにした。\ 眼福眼福。\ ;背景 学校前 望 「さて、今日はどうするかなあ」\ ユウ 『この辺りは、もうほとんど探しましたよね』\ 望 「探すとしたら、住宅街の方かなあ」\ しかし、どうにも体がだるい。\ 今日の所は早めに帰って休むというのも一つの選択だ。\ 1:いや、まだ探そう 2:今日は早めに帰ろう 3:もう紡のことは諦めよう 1選択後・バッドルート1へ 2選択後・ループBへ向かうルート 3選択後・ ・バッドルート1 望 「……ま、探すか。俺の未来の為に」\ ユウ 『優ちゃんに頼むのはどうですか?』\ 望 「ロリコンに人権はねえ!」\ ユウ 『人じゃありませんっ!』\ 望 「わかってるわ!」\ 最近ロリコンが顕著になってきたぞ、この幽霊……。\ 駄目だこいつ、早くなんとかしないと。\ ;暗転 ……… …… … ;背景 夜公園 望 「あーーーーもおおおおおおおおおおおっ! 紡、出て来いよっ! 出てこないとこの幽霊が死ぬぞっ!」\ ユウ 『……』\ 望 「突っ込めよ」\ ユウ 『もう死んでます』\ 望 「そんなお約束な突っ込みはいれんでいい!」\ ユウ 『突っ込み待ちしといてそりゃないですよ!』\ 望 「はあ。……ほんっと、もう駄目だ。紡ばっかりに構ってられん……!」\ このループをきっかけに、変わることが出来たらいいと思った。\ だけど、その一歩目から躓くことになろうとは……。\ 望 「はーぁ……」\ もう一度、深く溜息をつく。\ どうにも、このループを抜け出すにはかなりの時間がかかりそうだ。\ ――暗路迷い路見果てぬ彼方。@ 天宮望が向かいし道は、未来の見えない無限の旅路。\ ユウ 『長いお付き合いに、なりそうですね』\ ;暗転 バッドエンド ・ループBへ向かう選択肢から 望 「やっぱり、帰るか」\ ユウ 『そうですか』\ 望 「反対しないのか?」\ ユウ 『反対してほしいのなら、しますけど』\ 望 「いや、お前としては早くチョコがほしいんじゃないのかな……と思ったんだけど」\ ユウ 『僕一人じゃ、チョコも何もなくなっちゃいます。望さんがいなければ意味はないんですから、僕は反対なんてしませんよ』\ 望 「そうか……」\ こいつが生きていたら、本当にいい友達になれそうだったんだがな。\ ユウ 『どうかしました?』\ 望 「いや……。俺とお前って、結構いいコンビになれそうだよな」\ ユウ 『今でも、コンビみたいなもんじゃないですか』\ そうなんだけど、そうじゃないんだ。\ 望 「ユウと望で将来有望ってか?」\ ユウ 『チョコをもらえない望さんに将来はにい』\ 望 「にいってなんだ、にいって。……本当、お前が生きてれば、紡と三人で……」\ ユウ 『……そうですね』\ しまった。\ あまりにも無神経だった。@ 生きてないからこその、未練だっていうのに。\ 望 「…………」\ 俺が、まずったなあと思いつつ黙っていると。 ユウの方から話しかけてきた。\ ユウ 『望さん、望さん』 望 「何だ?」\ ユウ 『ジャック?』\ 望 「……え? バウアー?」\ ユウ 『ジャンクロード?』 望 「ヴァンダム」\ ユウ 『セルゲイ?』\ 望 「エイゼンシュテイーーーーーン! ひゃっほおおおう!」\ ユウ 『いいいいYAHHOOOOOOOOOO』\ 特に意味はない。\ ;背景 リビング 望 「うめえ、うめえ! チョコカレーがうめえなあ!」\ 母 「そう? 良かった。作った甲斐があったわぁ」\ 気付いてください。@ というか気遣ってください。\ 望 「本当に、うめえなあ」\ 母 「涙まで流して……。あら、ちょっともらい泣きしそう」\ この涙が苦しみの涙であることに、気付いてください。\ 俺は涙とまざりあってちょっとしょっぱくも甘いチョコカレーを気合で平らげた。\ 母 「それにしても、今日は何してたの?」\ 望 「え、何って?」\ 母 「望が、私からのメール見逃すなんてこと滅多にないじゃない。今日は忙しかった? だったら悪かったかしらと思って」\ 望 「ちょっと、ね。紡を探そうと思っててさ」\ がたっ!\ 望 「?」\ 母さんが、何故か動揺したかのようにテーブルを揺らした。\ 望 「……どうかした?」\ 母 「あ、あら。なんでもないわ、ごめんね望」\ 怪しい。 というか怪しすぎる。\ まさか、手がかりが母さんにあったとは、ホームズだって見抜けまい。\ 今はどんな情報であれ欲しい、相手が母さんでも何とか聞き出さねば。\ 望 「実はさ、紡が……」\ ……騙すのは気が引ける、が。 ここは少し話を大きくしてみよう。\ 望 「行方不明なんだ。俺の携帯に『もうここにはいられない』って残して……」\ 母 「ええっ! そ、そんなに思いつめてたなんて……」\ 望 「と、言うのは俺の作り話なんだけど」\ 母 「……え?」\ 望 「たださ、紡が学校休むなんて今までなかったし、心配だったってだけ」\ 望 「たださ、紡が学校休むなんて今までなかったし、心配だったってだけ」\ 母 「望、あなたいつから嘘なんてつくような子に……」\ 母さんの怒りは買いたくなかったが、ここはループしていると思って割り切るしかない! 望 「ご、ごめん。 本当にごめん、母さん。でも、どうしても紡がどうなったのか知りたくて!」\ 母 「もう、仕方の無い子ね」\ 母さんが呆れたとでも言いたげに嘆息する。\ 母 「実は、今朝ね……」\ 望 「今朝?」\ そこで躊躇うように考え込む母さんを、俺は下手に急かすことはせず待った。\ 母 「……ごめんなさい」\ 望 「え?」\ 母 「やっぱり、私から言わない方がいいと思うのよ」\ 望 「……そっか」\ ユウ 『振られましたね』\ うるせーよ。\ 望 「うん、わかった。じゃあ明日にでも紡捕まえて、聞いてみるとするよ」\ 母 「そうね。紡くんが自分から話すっていうなら、いいと思うわ」\ 母さんは、そうにこやかに笑って言った。\ ;背景 部屋 望 「さて、ここで推理だ」\ ユウ 『何でも聞きたまえ、ワトスン君』\ 望 「何でお前がホームズ気取ってんだ。俺がホームズだっての」\ ユウ 『僕が……ホームズだ!』\ 望 「モビルスーツにでもなってろ!」 ユウ 『もうどっちもホームズでいいじゃないですか』\ 望 「……そうだな、わかったよ。えーっとそれで、何だったかな」\ ユウ 『おいおい、自分の話の要点くらいまとめておきたまえよ。ホームズ君』\ 望 「うるさい。あーそうだ、思い出した。紡は朝に気合を入れて出かけたが、その会いに行った相手は恐らく母さんだってことだな」\ ユウ 『状況証拠から見て、間違いないでしょうねー』\ 望 「しかし、どこに行ったかまではわからないからな。そこは母さんより早く起きて尾行しないと……」\ ユウ 『でも、早起きできるんですか?』\ 望 「……起こしてくれ」\ ユウ 『え?』\ 望 「五時に起こしてくれ。頼んだぞーい」\ この部屋に目覚まし時計なんて上等なものはない。\ ユウ 『ちょ、僕は望さんの母親じゃありませんって! あ、もう寝てる!』\ 頼んだぞ、頼りになるユウくんよ……。\ ;背景 真っ黒 その日の夜。\ 俺は冬木さんと始めて会った時のことを夢に見ていた。\ ;背景 廊下 そう、あれは一年の夏くらいのことだったか……。\ 紡 「おっし! じゃあ昼飯食いに行くか!」\ 俺と紡の二人はいつも通り、一緒に昼食を取ろうということになっていたはずだ。\ 望 「ああ、早くしないとろくなパン残らないしね」\ 千代 「おーっす、二見くんおーっす」\ ;千代 通常 そこで歩き出した時に、不意に後ろから冬木さんが話しかけてきた。\ ……このときは、まだ二見くんって呼んでたな、そういえば。\ 紡 「おお、冬木か。どした?」\ 千代 「んー、今日の練習のことなんだけどさ」\ 紡 「ああ、わかった。他には……」\ そう、二人はバスケ部の練習の話を始めてしまい、俺はすっかり手持ち無沙汰になっていた。\ 紡 「っと、わりい紡。待たせちまって」\ 望 「いや、気にしなくていいよ」\ 千代 「? その人、二見くんの友達?」\ 紡 「そう。中学からの友達で、天宮望ってんだ」\ ;千代 笑顔 千代 「そうなんだ。私は冬木千代。バスケ部のマネージャーしてるの、よろしくね?」\ 望 「あ、……うん、よろしく」\ 俺にはその笑顔が眩しくて、目を逸らしながら挨拶を返した。\ 紡 「おーいおい、相手の目をちゃんとみろよ望~。ごめんな、こいつ人見知りするやつでさ」\ 千代 「気にしなくていいよ~。天宮くんは、バスケとかしないの?」\ 望 「あ、俺は、運動がそれほど得意ってわけでもないから……」\ 千代 「ふーん、そうなんだ。じゃあ……って、あーっ! 私も友達待たせてたんだった!」\ 紡 「おいおい」\ 千代 「二見くんまた練部活でねっ! 天宮くんもまたねー」\ 慌しく冬木さんが去っていって。 それでファーストコンタクトは終わった。\ このとき、初めてみた笑顔が、今でもずっと忘れられない。\ 紡 「なあ、望」\ 望 「なに?」\ 紡 「そろそろ、起きたほうがいいんじゃないですか?」\ 望 「え?」\ ? 『もう、五時過ぎてますよっ』\ ;暗転 ユウ 『望さーーーーんっ!』\ ;背景 部屋 望 「うるせえ……」\ ユウ 『うるせえじゃありませんって。もう五時二十分ですよ』\ 望 「……え?」\ まぶたを擦って、ぼやけた視界で時計をみる。\ 望 「あー、本当だ。……悪いな」\ 寝起きは力が出ないので、大人な応対をする俺だった。\ ユウ 『まだ望さんのお母さんも、起きてないようですけど』\ 望 「母さんは大体六時に起きるんだよ。でも今日に至っては何があるかわからないから、こうして早めに起きたってわけだ」\ ユウ 『なるほど』\ 望 「ま、母さんが出かけるまではここで待機だな」\ それからしばらくは、眠らないよう本を読んで時間を潰す。\ そして六時を少し過ぎたところで、一階の電話が鳴った。\ 望 「こんな朝っぱらから、電話か」\ 恐らく紡から、なのかな。\ あいつは人の迷惑っつーものを考えないのか。\ 望 「っと、そろそろ出かけるみたいだな」\ 玄関の戸を開く音が僅かに聞こえた。\ 着替えは既に済ませてある。 俺は荷物を持って、母さんに気付かれないよう間をあけて家を出た。\ ;背景 通学路 ユウ 『はあはあ奥さん中々いい尻してるじゃないの』\ 望 「人の母親を視姦するな」\ ユウ 『いやだなあ、幾らなんでも死体からチョコもらっても嬉しくないですよー』\ 望 「字が違うわっ!」\ 母 「?」\ やばっ! 母さんがこっち振り向いたっ!!\ 母 「……」\ 慌てて塀の影に隠れたので、何とか気付かれずに済んだようだ。\ 望 「ふう、危なかった……」\ ユウ 『まだまだ甘いな、ホームズ君』\ お前のせいだ。\ ;暗転 それでも望の性欲を具現化したエクスかリバーは、実母の小リスのような可愛らしい尻に興奮し、篠突くように天を見上げていた。\ ;背景 通学路 望 「次妙なこと言ったら神社いくぞー」\ ユウ 『すいませんすいませんすいませんすいませ』\ ;背景 公園 望 「ここにきてたのか……」\ 紡と母さんが、向き合ってなにやら話している。\ 望 「ここからじゃ、はっきりと何話してるか聞こえないな」\ だがこれ以上近付くとばれる可能性もある。\ ユウ 『こういう時こそ僕の出番ですね。ちょっと聞いてきます』\ 望 「あ、ああ」\ 初めてあいつが幽霊であることが役に立った気がするな。\ 以下、ユウによる演技ですが 本人同士が話しているものとしてアテレコさせていただきます。\ 紡 「あ、あー。陽子さん、お元気でしたか?」\ 母 「私は元気よ、紡くんはどう?」\ 紡 「俺はもう、元気ばりんばりんすよ! 今日もちょっと、ウサギと競争してぶっちぎってきたところですよ!」\ 母 「そうなの、凄いわねー」\ 紡 「は、ははっ! ま、まあ僕にはそんなの、う、ウォーミングアップにもならないんですけどねっ!」\ 紡 「あー、運動したりないなあ! ちょっと一周してきますっ!」 数分後。 紡 「は、はあはあ、お待たせしました」\ 母 「あらあら、その元気を望にも少しわけてあげてほしいわー」\ 紡 「もう、どんどんわけちゃいますよ! 数値にすると超人パワー一千万くらい!」\ 母 「カナディアンマンくらいには勝てるようになってほしいわねー」\ 紡 「あ、そ、それでですねっ! 今日はこんな朝早くにお呼びたてしてしまって、すいませんっ!」\ 母 「いいのよー。それで、何の用かしら?」 紡 「ほら、あの、今日ってばれんたいんでーじゃあないですかっ!」\ 母 「そうねー。今日は望にもチョコを作ってあげようと思って、チョコカレーなんてどうかなて考えてたのよ」\ 紡 「そ、それはいいと思います! 望も、きっと泣いて喜びますよ! あいつ昔から『チョコカレーくいてぇー』って言ってましたからっ!」\ 母 「あら、そうなの? それは良かったわ~」\ 紡 「そ、そそそれでですね! お……僕の用事なんですが!」\ 母 「あ、うん。何かしら?」\ 紡 「そ、その……ス……キ……ナンデスッ!」\ 母 「ス=キナンデス(1678~1703)?」 紡 「ち、違います! そ、その。すき…………ときめきときす!」\ 母 「猿飛、懐かしいわ~」\ 紡 「そ、それも違うますっ! す、すいません! あなたのことが、好きなんですっ!」\ 母 「……へ?」\ 紡 「望には、悪いと思いますけど! 好きと思ったときには、既に告白は終わっているんです!」\ 母 「あらあら……困ったわね」\ 紡 「……っ!」\ 母 「紡くん、頭を上げてくれる?」\ 紡 「は、はい」\ 母 「……ごめんなさいね。私の心の中には、いつも良人がいるの。紡くんの思いには、答えてあげられないわ」\ 紡 「……………………そう、ですか」\ 母 「それに、紡くんみたいなかっこいい子には、きっと若くてかわいい彼女が出来るわ。こんなおばさんなんかより……」\ 紡 「陽子さんは、おばさんなんかじゃありませんよっ」\ 母 「……ありがと。でも本当に、ごめんね」\ 紡 「い、いえ。……すいません、こんな、朝から……」\ 母 「ここで話したことは、誰にも言わないでおくから。それじゃあまたね、紡くん」\ 紡 「はい……」\ ;暗転 ;背景 公園 望 「……おいおい」\ 母さん、カナディアンマンを馬鹿にしちゃ駄目だよ。\ 紡、お前もチョコカレーを食ってみろ。\ というかこれ、成功してたら紡が俺の父親になってたのか?\ 紡 「望、今日はキャッチボールしようっ、な?」\ 望 「……知らないっ!」\ 紡 「父さん、今日は新しいグローブ買ってきたんだぞー」\ こんな、新しい父親に馴染めない子どもとの寸劇が繰り広げられることになっていたのかっ!\ 望 「そ、そんなのはいやだあああああっ!」\ ユウ 『の、望さん落ち着いてくださいっ!』\ 望 「はっ!」\ あまりの出来事に我を忘れてしまっていた。\ 慌てて公園の中を見れば、母さんは反対側から公園を歩き去っていて、紡は茫然自失の状態で立ち尽くしている。\ 望 「……ここは、通りかかった振りして行くしかないか」\ 俺は軽やかなステップで紡に接近し、肩を叩いた。\ 望 「よっ! ふっふっ!(ジョギング的な呼吸) 今日はジョギング日和だなっ! 学校に行く前に走ってたら、お前を偶然見つけちまったぜっ!」\ 紡 「望……。……そうか……」\ 明らかに不自然なタイミングで現れたのに、今のこいつにはそれを気にする余裕もないらしい。\ 望 「おいおいっ! ふっふっ! そんなしけたツラしてたらツキも逃げちまうぜっ! 不運と踊っちまうぜ! ふっふっ!」\ 紡 「…………」\ 紡は必死に気を引く俺を無視して、公園から出てどこへともなく歩き出す。\ 望 「お、おいっ! どこ行く気が、紡っ」\ 本当に自殺しかねない勢いだぞ、こいつ。\ ;背景 通学路 紡 「ここではない、どこかへ……」\ 望 「わけわかんねえからなっ! ほら学校行くぞっ!」\ 紡 「行かない、行けない、行きたくない……」\ ふらふらと歩く紡の隣を歩きながら、なんとか説得を試みる。\ ユウ 『完全に抜け殻ですねぇ』\ 望 「紡、狙ってた皆勤賞をこんなところで逃がしてもいいのか?」\ 紡 「皆勤賞とか、もうどうでもいい……」\ こんな会話に三点リーダがデフォルトで入る男は嫌だ……。\ 望 「紡。ねえ、ちゃんと風呂入ってるか?」\ 紡 「ああ……」\ 望 「うわっ! お前姉ちゃんと風呂入ってんのかよー。えんがちょ! えんがちょ!」\ ユウ 『小学生ですか』\ 望 「うるさい」\ 紡 「何もいってねえよ……」\ 望 「紡のことを言ったんじゃない、妖精さんがいたんだ」\ 紡 「そうか……」\ ほぼノーリアクションですか。\ 望 「はあ……」\ ユウ 『打っても響かない鐘ですね』\ そろそろ、まじになって説得しないとな。 望 「……なあ、紡。学校に行こう? な? 別に何もしなくていい、ぼーっと座ってるだけでもいいからさ」\ 紡 「…………」\ 望 「お前がいないと、クラスが皆沈むんだよ。……もちろん、俺だって寂しいと思うし」\ 紡 「…………」\ 望 「な、だからさ!」\ お前が来てくれないと、俺の中での決心がつかないんだ。\ 紡 「…………わかった」\ 望 「よしっ! やっと行く気になったか!」\ 紡 「……ああ」\ ふう。 なんとか説得には成功か。\ しかし、普段の通学路から外れたルートに来てしまったな。\ ;千代 通常 千代 「あ、あれっ? 紡くんに、天宮くんっ!? ど、どどどどうしてここにっ!」\ 望 「おあっ! ふ、冬木さん。ど、どうしてここに!」\ ユウ 『繰り返してどうするんですか』\ 千代 「ど、どうしてって言われても、私はいっつもここを通ってきてるから」\ 望 「あ、そ、そうなんだ。俺達はさ、その……そう! ちょっと、ジョギングついでにね! ふっふっ!」\ 千代 「そうなの? でも制服で走ったら汗かいたとき大変だよ?」\ 望 「ま、まあそこは適当にね! ほら、紡もなんか言え!」\ 紡 「……ああ……」\ こいつは……。\ 千代 「紡くん、どうかしたの? 元気ないみたいだけど」\ 望 「あー、えっと。そ、そうそう! こいつ必死に進めてたドラクエのデータを妹に消されちゃったんだよ! それでへこんでるの!」\ 千代 「ドラクエ……」\ 望 「女勇者あぶない水着で一人旅なんて変態プレイしてるからだぞ、紡!」\ 紡 「ああ……そうだな……」\ 望 「って、否定しろよー。冗談なんだからさー」 紡 「…………」\ 望 「おい」\ 千代 「あ、あはは」\ 冬木さんは苦笑いしている。\ 俺はどうするか、二人きりにしてあげるべきか、それとも――。\ 1:紡に喝を入れる 2:後は冬木さんに任せよう 1・グッドルートへ 2:バッドルート2へ ・1 グッドルートへ 千代 「で、でもさ。紡くんもゲームとかするんだ」\ 紡 「……ああ」\ 千代 「私も、ほら、パズルゲームとかはするんだよ? ぷよぷよとか」\ 紡 「……そうか」\ 望 「…………っ」\ 何をしてるんだよ、お前は。\ ――母さんに振られたくらいで、なんて言えない。\ 好きな人に思いを伝えたこともない俺に、そんなことを言う資格はない。\ だけど、だけどな……!\ 千代 「ご、ごめんね。紡くんは興味ないよね、パズルゲームとか」\ 紡 「……そうだな」\ 千代 「……あはは」\ 駄目だ、限界だ。\ 望 「おい紡! お前いい加減しゃんとしたらどうだ!」\ 紡 「……」\ 望 「別にな、俺一人にだけそういう態度なら我慢もするよ。だけどここには冬木さんもいるんだぞ!」\ 千代 「あ、天宮くん。いいよいいよ、紡くん調子悪そうだし」\ 言葉の途中で、冬木さんが申し訳なさそうに口を挟んだ。\ 望 「……あっ。ご、ごめん。余計なこと言って……」\ 千代 「ううん、それは、いいんだけどさ」\ 望 「……」\ ユウ 『重い空気ですねえ』\ それからは誰一人口を開くことはなく。\ 朝からお通夜かよと思われるような雰囲気のまま、俺達は学校へ向かうことになった。 ;背景 教室 望 (でも、これでやっと紡を連れてこられた)\ 俺が出来ることは、もう無いだろう。\ あんな状態ではあるけれど、後は冬木さん次第だ……。\ クラスメイトA 「おーい二見ぃ、お前どうしたべー」\ クラスメイトB 「駄目だこいつ、何も反応しねえ」\ クラスメイトC 「女にでも振られたかぁ? うひひ」\ そして、自分の席でぼーっとする紡の周りに集まっていたクラスメイトの一人が、地雷を踏んだ。\ 紡 「……悪い、一人にしてくれ」\ だけど、爆発はしなかった。\ 紡の沸点はそんなに低いわけでもない、しかし突然にキレることもたまにあるから心配していたのだが。\ 望 「そんな気力もないってことか」\ あいつは、いつから母さんのことが好きだったんだろう。\ まあでも、年齢の割りに可愛いていうのは……俺もそう思う。凄く思う。\ 優しいし、良く気が付くし、料理も(一部創作料理を除き)凄くうまい。家事も完璧。\ ……あれ? 惚れない要素がない?\ で、でも母さんだしな。 今までそんな目で見たことが無かった。\ 紡 「…………あー」\ それから、一人になって更に鬱屈としている紡を、冬木さんが離れた席から心配そうに見つめていた。\ ;暗転 ;背景 廊下 放課後。\ いつもなら紡を誘って帰るところだが、今日はそういうわけにもいかない。\ 掃除をする気にもならないので、体調が悪いということで一人で抜け出す。\ 冬木さんが告白するまでには、まだ少し時間があるなと考えていた時、後ろから声をかけられた。\ 千代 「天宮くん、ちょっといいかな」\ ;千代 照れ 望 「ん……。え? あ、あーと。何か用?」\ 紡が学校に来ているのだから、もう話しかけられることはないだろうと油断していたところへの不意打ちだった。\ 千代 「ちょっと付いてきてほしいんだけど、いいかな?」\ その僅かに赤く染まった頬に、少しどきりとしてしまう。\ 俺はその動揺を表に出さないように応じた。\ 望 「う、うん。わかったよ」\ ユウ 『何だか、期待できそうな雰囲気ですねぇ』\ 期待なんて出来るわけないだろ……。\ ;教室 望 「こんな空き教室で……どうするの?」\ ;千代照れ 千代 「あ、あのね。本当はバスケ部の誰かにお願いしようかな、って思ってて」\ 望 「……うん」 千代 「こんなこと頼むの、本当に失礼なことだって、わかってる。わかってるんだけど……」\ 望 「俺に出来ることなら、協力するよ」\ 素直にそう思っている。\ 思うことが出来ている。\ 千代 「ありがとう。……あの、あのね。私の、こ、こっここくっ……」\ 望 「コクのあるスープの秘訣を教えて欲しい?」\ ;千代怒り 千代 「う、うちのラーメン屋には、どうしてもあなたの味が必要なんです! って違くて!」\ 望 「いいノリツッコミだね……」\ ;千代照れ 千代 「もうっ! 私は、天宮くんに告白の練習相手になってほしくてっ」\ ユウ 『……ふう』\ 望 「練習相手……」\ ほらね、やっぱり期待なんてしなくて、良かったじゃないか。\ 本当に……@本当に。\ 千代 「私、実はね、紡くんのことが好きなの」\ 望 「うん、知ってる」\ 千代 「えええ!?」\ あ、やばい間違えた。\ 望 「い、今のはなし。ごめんなさい知りませんでした」\ 千代 「今のなしって、なにっ!?」\ 望 「嫌だなあ冬木さん、こ、ここはノリツッコミをする場面だよ」\ 千代 「もうノリツッコミなんてしたくないし、そういう場面でもないと思うっ!」\ ユウ 『素直に知ってたっていったほうが早そうですよ』\ そうだな。\ 望 「……ごめん。実は知ってたよ。冬木さんと紡の様子みてたら、なんとなくわかったから」\ それでも、この二月十四日が来るまでは、ただの友達同士なんだと思っていたけれど。\ 千代 「そ、そうなんだ。紡くんの親友だもんね、そのくらいのこと気付いても、おかしくないか……」\ 望 「もちろん、紡はそのことを知らないから大丈夫だよ」\ 千代 「良かったぁ」\ 冬木さんが胸に手をあてて安堵の息を吐く。\ 望 「それで、俺は何をすればいいのかな?」\ 千代 「そうそれ! えっと、紡くんがどんなシチュエーションや状況で告白されたらぐらっと来るか、っていうのを教えてほしいの!」\ 望 「なるほどね」\ 紡には正面から真っ直ぐに行くのが効果的だよ。\ ……というのは、最後に言おう。\ 今はこうして冬木さんと話すことが出来ている時間を、少しでも長引かせたい。\ そんな感情が、抑えられない。\ 望 「そうだなぁ」\ 1:邪気眼を持たぬものにはわかるまい…… 2:後輩が先輩に校舎裏で…… 3:戦場に赴く兵士達が…… 4:エロス 1: 望 「じゃあ、教えるから少し実演してみよう」\ 千代 「う、うんわかった!」\ ;背景岩場 千代 「ここには強者の波動を感じる……。おや、そこにいるのは……」\ 望(紡役) 「ふっ、やはり貴様か……久しいな」\ 千代 「 チョコレート お前に、私の『聖者の甘い囁き』を受けることができるかな?」\ 望 「なっ、この秘宝は……! そうか、俺と貴様は運命で結ばれた者同士ということか……」\ 千代 「付き合ってくれないか……」\ 望 「断る理由はない……」\ 千代 「って、何よこれぇ!?」\ ;背景 教室 ;千代 怒り 望 「え、紡の好きそうなシチュの実演……かな?」\ 千代 「嘘でしょ! それに『聖者の甘い囁き』って何よ?」\ 望 「ふっ、邪気眼を持たぬ者にはわかるまい……」\ 千代 「わかりたくないよ」\ 2: 望 「じゃあ、教えるから少し実演してみよう」\ 千代 「う、うんわかった!」\ ;背景校舎裏 千代 「はあ、はぁ。センパイ! お待たせしてすいません!」\ 望(紡役) 「ん? ああ、気にしなくていいけど。何の用だ?」\ 千代 「じ、実はボク、センパイに渡したいものが……」\ 望 「おお、何だ?」\ 千代 「はい! チョコレートです!」\ 望 「え、あ、そういえば今日はバレンタインデーだったな。まさかお前……」\ 千代 「ボク、センパイのことを思うと、毎晩おちんち……!? な、何よこれ?!?」\ ;背景教室 望 「え、紡の好きそうな属性に合わせたんだけど」\ 全部言い切らせられなかったか……!\ 千代 「私が男の子役になってるじゃない!」\ 望 「だって紡も男の子大好」\ 千代 「絶対嘘でしょっ!」\ 3: ;背景思い浮かばん…… 千代 「明日になれば敵が大勢攻め寄せてくるでしょうね……」\ 望 「ああ、そうだな。……ん。誰の写真を見てるんだ? お前の男か?」\ 千代 「違います……。この戦争から生きて帰れたら、告白しようと思ってるんです」\ 望 「そうか……」\ 千代 「いつもこうしてロケットを下げていると、あいつが守ってくれる気がして」\ 望 「生きて帰れるといいな。ん……? 少し外が騒がしいな」\ 千代 「あ、私が見てきますよ。少尉はここで待っててください」\ 望 「すまんな」\ 千代 「すぐ戻ります……って、戻れないでしょっ!!」\ ;背景教室 望 「えー、ここはロケットに銃弾が当たって助かる生存フラグだよ」\ 千代 「それ以上に死亡フラグの壁が高すぎるでしょ! そもそも告白してないし!」\ 望 「ばれたか」\ 千代 「ばれたか、じゃないよっ!」\ 4: 千代 「ねえ、この『エロス』ってなに?」\ 望 「やっぱり男たるものエロには弱いと思うんだ」\ 千代 「お、男の子はやっぱりそうなの……?」\ 望 「うん。だから全身にチョコを塗りたくって……『千代コレイト』を、召し上がれ。と」\ 千代 「出来るわけないでしょっ!!」\ 望 「ですよねー」\ ・どれを選んでも合流 千代 「もうっ、天宮くん真面目にやってよ~」\ 望 「ごめん」\ 千代 「……くすっ。でも、面白かったけどね。天宮くんってあまり話したことなかったけど、こんなに面白い人だって知らなかった」\ 望 「少しでも笑えてもらったのなら、良かったよ」\ 千代 「あはははははっ」\ 望 「…………うん」\ 俺は、笑わない。\ 冬木さんの前で、気持ち悪い引き笑いは晒せない。\ だから、少しだけ笑顔を作ってごまかしていた。\ 千代 「あーっ、それそれ!」\ 望 「え?」\ 千代 「天宮くんってば、皆が大笑いするような場面でも全然笑わないよね。だから今日は意外だったんだけど……」\ 望 「あ、ああ……俺は……」\ ユウ 『そういえば、僕もその辺りのこと知らないなあ』\ 望 「俺は……」\ 過去の傷が、少しだけ痛んだ。\ 千代 「あ、別に、言いたくないようなことがあったのなら、無理して話さなくてもいいよ?」\ 望 「いや、大したことじゃないんだ。……ただ、笑い方が気持ち悪いってだけで」\ 千代 「笑い方?」\ 望 「そう、強烈な引き笑いでさ」\ ユウ 『そんなことだったんですか……』\ そんなことじゃない。\ 人から気持ち悪いって言われるのは、本当に辛いんだ。\ 千代 「そうなんだ……。でも、私は天宮くんが声を上げて笑ったところを見たことがないから、何とも言えないけど」\ 望 「うん」\ 千代 「笑いたい時に、周りの目を気にして笑えないっていうのは、凄く悲しいことなんじゃないかって思う」\ 望 「…………そうだね」\ ;千代 笑顔 千代 「実際に見もしないで良くそんなこといえるなって思われるかもしれないけど、私は一緒に笑ってる人を絶対に馬鹿になんかしないよ」\ 望 「冬木さん……。ありがとう」\ その言葉だけで、どれだけ救われるか。\ 千代 「ごめんね、偉そうなこと言って」\ 望 「そんなことない、嬉しかったよ。お礼にってわけじゃないけど、紡にはさ」\ 千代 「?」\ 望 「真っ直ぐに、正面から普通に告白するのが一番いいと思う」 千代 「……そっか。やっぱり、下手に策を弄するよりそっちのほうがいいよね」\ 望 「うん」\ 千代 「ありがとう。天宮くんと話せて良かった」\ 望 「どういたしまして」\ むしろ、俺の方が感謝をしたいくらいだ。\ 千代 「そろそろ、紡くんを校舎裏に呼び出した時間だから、私行くね? それじゃ!」\ 望 「……うん、頑張って」\ 紡は、ちゃんと話を聞くことが出来るだろうか。\ 俺は教室を飛び出そうとする冬木さんの後姿を、喜びと不安がないまぜになった目で見つめていた。\ ;暗転 俺はこの時、すっかり気を抜いていた。\ まさかこんなところで、人を――人の願いを妨げる運命の悪戯が起こることになるなんて。\ ;背景 廊下 千代 「きゃっ!」\ ;画面揺らし 冬木さんが廊下に出た直後、横から走ってきた男子生徒とぶつかった。\ 望 「あっ!」\ その瞬間を目撃した俺も、つい声を上げてしまう。\ 冬木さんは戸に肩をぶつけ、倒れこむ。\ 男子生徒 「わりいっ! でも急いでるからっ!」\ 男子生徒は倒れた冬木さんに目もくれず、廊下を走り去っていった。\ 千代 「……ったぁ……」\ ユウ 『なに見てるんですか! 早く診てあげないと!』\ 望 「あ。ああ」\ 情けないことに、俺はボーっとしてしまっていた。\ 望 「冬木さん、大丈夫?」\ 千代 「う、うん……大丈夫」\ そうは言うが、冬木さんの顔はどうにも苦しそうだ。\ 望 「肩ぶつけてたけど、保健室行ったほうがいいんじゃ……」\ 千代 「ほ、本当に大丈夫。早く行かないと……あっ!?」\ 冬木さんが突然に驚きの声を上げて、自分の床についた手の辺りを見ている。\ その視線の先には、手のひらの下敷きになって押しつぶされた鞄があった。\ 千代 「ち、チョコがっ……」\ 急ぎ鞄の中からチョコの箱を取り出し、中を改める。\ ;千代悲しみ 千代 「そんな」 ……だけど、その中には、真っ二つに砕けたチョコだけがあった。\ 千代 「そんなことって、ないよ……!」\ 全て終わった。\ 冬木さんが、そんな悲しみに染まった表情で嗚咽をあげている。\ 俺は、それをただ見ているだけ――。\ 見ているだけ……で、いいわけがないだろう……!\ 望 「冬木さん。チョコを砕けちゃったかもしれないけど」\ 千代 「……?」\ 望 「紡への気持ちは、変わらない筈だよね?」\ 千代 「……うん」\ 望 「だったらさ、その気持ちは、チョコがなくてもきっと紡に伝わるよ」\ 千代 「そう、かな」\ 望 「うん。紡の親友である俺が保証するよ。あいつなら、きっと――」\ きっと、真摯に答えてくれる。\ そう思って冬木さんを校舎裏まで送り届けたのに。\ ;暗転 間を置いて校舎裏に向かって、そこで見たのは悲嘆に暮れる冬木さん一人だけだった。\ ;背景 部屋 そして俺は、そんな冬木さんに声をかけることができないまま部屋にいる。\ 一人、ベッドに寝転がっている。\ ユウ 『あの、一つ聞きたいんですけど』\ いや、一人じゃない……か。\ 姿は見えないけど、仲間ならここにいる。\ 望 「なんだ?」\ ユウ 『紡さんを探していたのは、最初から冬木さんを応援する為だったんですね?』\ 望 「流石にわかるか」\ ユウ 『そりゃ、わかりますよ』\ 誰よりも俺を近くで見ているのだから、わからないほうがおかしいか。\ ユウ 『何故ですか? 冬木さんを応援したって、望さんがチョコをもらえるわけじゃないのに』\ 望 「……ごめんな、お前にはやっぱりそういう風に見えちゃうよな」\ ユウ 『何か、あるんですか?』\ 望 「俺はやっぱり、好きな人からチョコをもらいたい」\ ユウ 『それじゃあ……』\ 告白したらいいじゃないですか、というユウの言葉を俺は遮った。\ 望 「でも、まずはけじめをつけたいと思う」\ 勇気が持てるかもしれない、だからこその選択。\ 望 「何にせよ、明日はいろいろと細工をしなきゃいけないんだ。今日は早くねるよ」\ ユウ 『はい……おやすみなさい』\ 大変になりそうだ、と呟きながら。 俺は床についた。\ ;暗転 ;背景 部屋 五時四十分。\ ユウの助けがなくても何とか目を覚ますことができた。\ ユウ 『おはようございます』\ 望 「おはよ」\ ユウ 『今日は、どうするんです?』\ 望 「まずは母さんを公園に行かせないようにすることから、かな」\ ユウ 『そうですかー』\ 望 「なんだ、妙に素っ気無いなー今日は」\ ユウ 『……いえ、望さんがやろうとしていることは応援しています。好きな人に、チョコがもらえたらいいとは思っています』\ 望 「だったら」\ ユウ 『でも、望さんが傷つくだけの結果に終わる可能性が高いっていうのに、そう大手を振って見送るなんてできませんよ』\ 望 「……ありがとう。でも俺は大丈夫だ。少しの勇気が持てたのも、このループのおかげだから」\ 俺は大丈夫。\ 自分に言い聞かせて、俺は制服に着替えて一階に降りていく。\ ;暗転 ;リビング 母 「ふーんふーん、朝のわくわくクッキングー♪ 牛丼豚丼カルビ丼ー♪」\ 望 「母さん、おはよう」\ 母 「あら望、おはよう…………?」\ 陽気に鼻歌を歌いながらリビングに入ってきた母さんを出迎えると、母さんは一体何が起きているのかわからにといった顔をして固まった。\ 母 「私、まだ寝てるみたいねー」\ 望 「いやいやっ! 起きてる起きてるっ!」\ 寝室に戻ろうとする母さんを引き止める。\ 母 「あ、あら本当。望、まだ起きる時間には余裕があるんじゃない?」\ 望 「うん、今日は少しやらなきゃいけないことがあってさ」\ 母 「あらあら、何だか出来る男の顔になってるわよ。かっこいいわ~」\ 望 「父さんみたいに、なれてるかな?」\ 母さんは少しだけハッとした表情を見せて、それでもすぐに笑顔に戻った。\ 母 「そうね。望も段々と、あの人みたいないい男になって来てるわ」\ 望 「そっか、良かった」\ 母 「じゃあ、朝ごはん作るからちょっと待っててね」\ 母さんが台所に向かおうとしたその時。 家の電話が、紡からの着信を告げた。\ 母 「あら、誰かしらこんな早くに」\ さあ、ここからか。\ 本来ならここで受話器を取りたかったが、母さんの方が電話の近くにいたのでそれは出来なかった。\ ……まあ、母さんならきっと俺の言うことを信じてくれるはずだ。\ 母 「あら、紡くん。こんな朝からどうかした? 望に変わったほうがいいかしら」\ 母 「え、私に? ふんふん、公園に……ね。はいはーい、朝食作ったら行くわねー」\ そして受話器を置いた母さんに、なるべく不自然にならないよう話しかける。\ 望 「紡から?」\ 母 「ええ、もしよろしければ六時半くらいに公園に来てください。ですって、何があるのかしら~?」\ 告白が待っているんだよ、とは言えない。言えるわけがない。\ 母 「とりあえず朝ごはんの準備しちゃうわね」\ と台所に向かった母さんに背を向けて、適当に携帯で音楽を鳴らす。\ そして電話に出る振りをしてすぐに切った。\ 望 「お、おお。紡か? どうした、こんな朝早くから」\ 電話の相手もいないのに、いかにも相手がいるように話すのは意外と難しいものだ。\ 望 「何? 母さんに、やっぱり明日にしてくれって伝えて欲しい? お前なあ、そういうことは直接言えよ。ん……あーわかったわかった。伝えとくから! じゃあな」\ わざとらしく声を張り上げたから、母さんにも聞こえていたのだろう。\ 母 「どうかした? 望、紡くんに何かあったの?」\ 望 「うん、どうにも急用が出来たとかでさ。明日の同じ時間に来て欲しいってさ」\ 母 「あらそう。わかった、明日の朝ね~」\ 母さんは疑うことなくすんなりと信じてくれた。\ 実の息子の言うことは、この人は大体なんでも信じてしまう。\ オレオレ詐欺なんかされたら、あっさりと金を振り込んでしまいそうで少し怖い。\ それでも俺は母さんにとても大事にされてきて、俺もこの人を大事にしていきたいと思っている。\ 望 「母さん」\ 母 「なあに?」\ 望 「俺さ、今まで全然駄目な人間だった。いろんな物を怖がって、逃げてきて……」\ 母 「望?」\ 望 「父さんがどんな人だったかは、良く知らないけど。いつか母さんに『父さんを超えた』って認められるような男に、なってみせるから」\ 母 「……そう、待ってるわ。ずっとずっと、私は望を見てるからね」\ 望 「ありがとう。じゃあ、行って来る」\ 母 「あ、あら。朝食はどうするの? 望!」\ 望 「ごめん! 今日はいらないよ!」\ 引き止める母さんの声を振り切って、俺は外へと飛び出した。\ ;背景 通学路 望 「うーっ、さみいいいいっ!」\ 肩で風を切りながら走り、公園に向かう。\ 辿り着いた公園では、紡がやたらとそわそわしながら母さんの到着を待っていた。\ ;背景 公園 ;紡 通常 望 「よっ、紡」\ 紡 「おう、望! って……あれ? なんでお前が来てるんだよ」\ 望 「メッセンジャーだよメッセンジャー。お前携帯の電源切ってただろ」\ 紡 「あ、ああ。余計な邪魔が入らないようにな……」\ 望 「なんだよ邪魔って、そもそもお前人の母親呼び出して何しようとしてたんだ?」\ ;紡 照れ 紡 「べ、べべべべべべべべべつに何でもねえよ? ただ、今日の株の値の動きはどうですかー? って話をだな」\ 望 「(ピー)才まで為替を漁師が集まる市場か何かと勘違いしていた母さんとする話ではないな……」\ 紡 「ば、ばっかやろう! お前な、陽子さんはな、影でトレーダーしてんだよ!」\ 紡 「陽子さんが指一本動かすだけでゲイツの尻の毛まで毟り取れるような敏腕ハンターなんだよっ!」\ こいつは実の息子を前にして何を言い出すのだろうか。\ 面白いからほっといてもいいが、埒があかないので本題を切り出すことにした。\ 望 「あー、まあいい。母さんが裏世界の支配者だろうが六天魔王だろうがいいさ。ただ、今日は母さんここに来れないからな」\ 紡 「え……?」\ 望 「何でも急用が出来たとかで、明日の同じ時間にして欲しいんだってさ」\ 紡 「まじか」\ 望 「まじだよ」 紡 「陽子さんが信用してるお前が言うんだったら、そうなんだろうなあ……。はあ、仕方ないか」\ まだ振られたわけじゃないんだからなと、紡は気を取り直したようだった。\ ……良し、これで冬木さんの告白への障害は大体取り除くことが出来ただろう。\ 望 「よし、お前の用事は終わったな?。だったら俺はちょっと行きたいところがあるんだが」\ 紡 「行けばいいじゃねーか」\ 望 「お前も来るんだよ」\ 紡 「お、おい引っ張るなって! わかった、行くからよ!」\ ;暗転 俺は紡の腕を引きずり、前のループで冬木さんと合流した道まで歩いてきた。\ ;背景 通学路 紡 「ここに何かあるのか?」\ 望 「しばらく待てばわかる」\ ………………\ …………\ ……\ そしてそろそろ寒さで硬直しそうになっていた頃。\ ;千代 驚き 千代 「あ、あれ? 紡くんに天宮くん。こんな所で固まってどうしたの?」\ ようやく冬木さんが現れてくれた。 正確な時間を覚えていなかったせいで、どうにもやりにくいな……。\ 望 「おはよう冬木さん。さ、一緒に学校へ行こうか!」\ ;千代 通常 千代 「え? うん、おは……よう。えっと、一緒に学校に行くのはいいんだけど」\ どうにも冬木さんは状況を掴みかねているようだ。 まあ、当たり前か。\ 紡 「おい、ここで待ってたのはもしかして冬木が来るのを待ってたのかほげぁっ!」\ 望 「あっ、悪い悪い! つい足が滑ってブラジリアンキックを!」\ 千代 「今の、狙ってなきゃ出せない鋭い技のキレだったよ……」\ 望 「いやー、昨日ホーリーランド一気に読んだ影響かなー」\ 読むだけで強くなった気になれるよね。\ 紡 「う、うぐぅ。紡、お前何を……」\ 望 「ほらっ、たい焼きなら後で買ってやるから、さっさと学校行こう!」\ 千代 「今日の天宮くん、なんだかおかしいよ……?」\ 望 「いやだなあ。俺はいつもこんな感じだよ?」\ 紡 「ん、まあそうだな……。俺や優の前以外でこんなハイテンションになるのは珍しいけど」\ 蹴りのダメージから回復した紡が調子を合わせてくる。\ 千代 「……へぇ、そうなんだ。天宮くんってもっと静かな人って印象があったから」\ 紡 「ま、遊んでる時は二人でいつもはしゃいでるからなあ。今日はそのときに輪をかけてテンション高めだけど」\ 望 「今日はなんとなく、いいことがありそうな気がしてね」\ 紡 「なんだ、チョコをもらうアテでもあるのか?」\ 千代 「ほわぁっ!」\ 紡の言葉に反応して、冬木さんが突然奇声を上げた。\ 恐らくチョコというワードが琴線に触れたんだろうけど、それでも動揺しすぎだよ冬木さん……!\ 紡 「冬木、どうかしたか……?」\ ;千代 照れ 千代 「べ、べちゅにっなんでもナイヨっ! き、昨日読み返した北斗の拳を思い出しちゃったの。馬上の不利を知れ! 北斗七死騎兵斬! ほわっちゃあ! なんちゃって……」\ やばい、凄く面白いテンパり方をしている。\ 紡 「なんだ、冬木も北斗読んでたのか! 俺もあれ大好きなんだよ」\ 千代 「わ、私は紡くんが好きだって聞いたからその……ゴニョゴニョ」\ 紡 「ん、良く聞こえなかったぞ」\ 千代 「なんでもないっ! なんでもないなんでもなければなんでもないときにっ!」\ 紡 「何言ってるのか良くわからんぞ」\ 望 「まあまあ。誰にだって触れられたくないことくらいあるさ、お前にだってそのくらいあるだろ? なっ!?」\ 母さんのこととか主に母さんのこととか、後母さんのこととかな!\ 紡 「そ、ソウダナー」\ 紡も俺の笑みに嫌なものを感じたのか、その場はこれで収まったようだ。\ それからは適当な雑談を交わしながら、学校に向かった。\ ;背景 教室 しかし、最初の二月十四日と今の二月十四日が、同じ日だとはまるで思えない。\ そのときとは、何もかもが違う。\ ……そう、俺の心の内でさえも。\ ユウ 『…………』\ ;紡通常 紡 「しっかし、下駄箱に三つもチョコが入ってるとはな」\ 望 「手紙も三つ、か。どうするよ?」\ 紡 「んー……。断るしかないだろ、知り合いでも無い子とつきあえねーからな」\ 望 「ま、そうだよな。でもさ」\ 紡 「ん?」\ 望 「もし、知り合いから……それも仲のいい女の子から告白されたら、どうする?」\ 紡 「………………さあ、どうだろうな。その時になってみないと、わかんねぇ」\ 望 「そうか……」\ この何気ない問いにも、紡は真剣に考えて答えてくれた。\ だったら、きっと大丈夫。\ 望 「全く、お前が羨ましいよ」\ 紡 「ははっ、お前も人見知りさえやめればモテるようになるって、俺が保証する」\ 望 「……ああ、これからは頑張ってみるさ」\ そう呟いたところで、担任が教室に入ってくる。\ そして俺は、前に向き直った紡に隠れて溜息をついた。\ やっぱり俺は、@紡に――。\ ;暗転 ;背景廊下 俺は昨日と同じく、掃除を抜け出した。\ 今度は、冬木さんを待つようにぼーっとしながら窓の外を見ながら待つ。\ 千代 「天宮くん、ちょっといいかな」\ 望 「ん? どうかした?」\ 千代 「ちょっと付いてきてほしいんだけど、いいかな?」\ 望 「……うん、いいよ」\ ;背景 教室 望 「ここで、何をするの?」\ 千代 「あ、あのね。本当はバスケ部の誰かにお願いしようかな、って思ってて」\ 望 「うん」 千代 「こんなこと頼むの、本当に失礼なことだって、わかってる。わかってるんだけど……」\ 望 「俺に出来ることなら、協力するよ」\ 俺は、なるべく前回をなぞるように受け答えすることに勤めた。\ こうしていないと、自分の感情を抑えきれなくなりそうだったから。\ 千代 「ありがとう。……あの、あのね。私の、こ、こっここくっ……」\ 望 「誰かに、告白するの?」\ 千代 「そ、そうっ! 告白っ、紡くんに、告白したくて……!」\ 望 「……うん」\ 千代 「それで、その練習っていうか。今朝の様子を見て、やっぱり天宮くんの方が紡くんの好みに詳しいのかもって……」\ 望 「わかった、俺でよければ協力するよ」\ 千代 「ありがとう! 紡くんってやっぱりモテるみたいだし、普通に告白するだけじゃ何か足りない気がして」\ 望 「……それで」\ 千代 「え?」\ 望 「それで、冬木さんはどうしたらいいと思う?」\ 千代 「だ、だからぁ。それを天宮くんに訊いてるんじゃない!」\ 望 「冬木さんは、紡と今まで話してきて、あいつをどういう人間だって思ってる?」\ 千代 「ん……と」\ 冬木さんは返事に窮しているようだ。\ まあ、突然こんな話をされたらそうなるよね。\ 望 「あいつは、鈍い奴だよ。凄くいい奴なんだけど、どうしても周りくどいことには気付きにくいんだ」\ 千代 「……うん」\ 望 「だから、下手なことはせずに真っ直ぐ行くのが最良だと思う」\ 俺のアドバイスに、冬木さんは納得するように何度も頷いた。\ 千代 「そっか。……うん、そうだよね」\ 千代 「天宮くん、ありがとう。私、真正面から真っ直ぐに告白してみる」\ 望 「参考になったのなら幸いだよ」\ 千代 「うんっ! じゃあ私、行くね? そろそろ紡くんを校舎裏に呼んだ時間だから」\ 望 「頑張ってね」\ そして俺は、鞄を持って教室を飛び出そうとする冬木さんを見送る……。\ 望 (ん……?)\ 何かを忘れているような。\ ユウ 『望さんっ! 彼女を止めないと!』\ ……そうだっ!\ 望 「冬木さんっ!」\ 俺は、廊下に出ようとした冬木さんの肩を掴み、力いっぱい引き寄せた。\ 千代 「きゃっ!?」\ そして、廊下を男子生徒が駆け抜けていく。\ まさに間一髪だった、自分のことで頭が一杯で、こんな大事なことを忘れそうになっていたなんて……。\ 千代 「あ、あの。天宮くん……?」\ 望 「え?」\ 千代 「その。えーっと」\ ちょっと待て、今の体勢は……。\ 望 「うわっ! ご、ごめん! 抱きついちゃったりして!」\ 千代 「ううん、こっちは助けられたんだから気にしないで。……でも、何で人が来るってわかったの?」\ 望 「それは……」\ 俺は、今までのことを全て話したいという衝動に駆られた。\ だけど、そんなことをしたって何もならないことはわかりきっている。\ 望 「ただの、虫の知らせって奴だよ。それより、早く行ったほうがいいんじゃない?」\ 千代 「あ、そうだね。……天宮くん、本当にありがとう。またねっ」\ 望 「…………また」\ 今度こそ冬木さんは去っていき、教室に静寂が訪れる。\ そして、自分の頬に涙が伝っていることに気付く。\ ユウ 『泣くくらいなら、最初から応援なんてしなければいいじゃないですか』\ 望 「……泣いてなんか、ない」\ ユウ 『この世界は、今ループしているんですよ? 彼女の告白がどうなっても、全部最初に戻るのに」\ 望 「少なくとも、俺の記憶は戻らない」\ もし、冬木さんがここで告白に成功したならば、俺が何もしなくてもいつか二人は結ばれる可能性が高いだろう。\ 何せ、紡の思い人である母さんが断ることはわかっているのだから。\ 望 「俺はさ、このループを利用しようと思ったんだ」\ ユウ 『ループを、利用?』\ 望 「冬木さんが紡のことを好きだって分かったとき、俺はあの二人の邪魔はしたくないと思った」\ もし二人が付き合うことになったのなら、それでいい。\ だけど、もし失敗したら――。\ 望 「そこで、ようやく俺は自分にチャンスを与えてやれると思ったんだ」\ 度胸がなかった。@ 勇気なんてなかった。@ 変われてなんかいなかった。\ どこまでも姑息、どこまでも卑怯。\ 望 「でも、そんなんじゃ駄目なんだよ――」\ ;背景 校舎裏 紡 「冬木、こんなところに呼び出してどうしたんだ?」\ 千代 「あのね、……紡くん、えっと」\ 決定的な一言が、いえない。\ 好きという二文字が、限りなく遠い。 千代 「うう……」\ 人間は、何か行動を起こす前に、その行動によって今後どうなるのかを予想する。\ この告白をして、『成功したら』、それとも『失敗したら』。@ そして、緊張するとどうしてもネガティブな方向に考えが向かってしまう。\ もし、失敗して友達でもいられなくなったら――。\ 紡 「お、おい。どうしたんだよ」\ 千代 「わ、私……」\ でも、言わなきゃ進まない。\ ぐるぐると、思考をループさせてるだけではどうにもならないんだ。\ 千代はわずかな勇気を胸に抱き――言った。\ 千代 「私、紡くんのことが好きです! このチョコ、もらってください!」\ 紡 「……………………」\ 千代 「……………………」 紡 「………………冬木」\ 千代 「……」\ 紡 「ありがとな。@……でも、ごめん」\ 千代 「……!」\ 紡 「俺さ、実は好きな人がいるんだ」\ 千代 「え……」\ 紡 「でも、その人にはもう振られることはわかりきってる」\ 千代 「どういう、こと?」\ 紡 「その人にも、ずっと慕い続けてる人がいるから。……だから、無理だってわかってるんだよ」\ だったら、とは千代には言えない。\ 紡 「それでも、きっと振られても、俺はその人のことをずっと好きでいると思う。いくら未練がましくても、いつか振り向いてもらえるまでその人を追い続ける」\ 紡 「でも、そんなことするくらいなら冬木と付き合ったほうがいいんじゃないかって考えたんだけどな」\ 紡 「でもやっぱり、そんな中途半端な考えじゃ誰にも幸せにはできない。そう思ったんだ」\ 千代 「紡くんにそこまで思ってもらえるなんて、その人が羨ましいよ」\ 紡 「いやー、かなり不幸だと思うぜ? 何せ俺はしつこいからな」\ 千代 「……そっか。ふふっ、…………そっかぁ」\ 紡 「悪いなんて言わない。明日からはいつも通りだ、なんて都合のいいことも言わない。……『また』、な」\ 千代 「うん……『また』ね」\ 二見紡が去った校舎裏で、千代は一人空を見上げる。\ 千代 「あーあ」\ このまま一人でいたら、確実に涙を流していただろう。 ……そんなときに。\ 望 「冬木さん」\ 千代 「えっ、あ、天宮くん……?」\ 天宮望が、救いのように現れた。\ ;暗転 ;背景校舎裏 望 「さっき、紡が出ていくのが見えたけど……どうだった?」\ 千代 「あ、えっと……ね。だ、駄目だったよ! あははっ」\ 無理をして笑顔を作っているのは明白だった。\ それはそうだ、好きな人に振られて平然としている人がいたら見てみたい。\ 望 「……冬木さんは、凄いね」\ 千代 「え?」\ 望 「告白したら、そのままの関係じゃいられなくなるかもしれないって考えると……怖いって思わない?」\ 勇気がいるんだ、人に好きと伝えることは。\ 千代 「うん、怖かった。……ほんとに勇気が、必要だったんだよ」\ 次第に、千代の目尻に涙がたまっていく。\ 望 「俺はさ、今まで誰かに好意を伝えたことなんてなかった」\ 千代 「……天宮くん?」\ 望 「好かれたいんじゃなくて、嫌われたくないって、ずっと思ってた」\ 好き、嫌い、好きじゃない、嫌いじゃない。\ 似てるようで、違う言葉。\ 望 「他のカップルを妬む振りして寂しさを紛らわせて、紡への嫉妬を隠してた」\ 千代 「…………」\ 望 「こんなタイミングで言うのは、卑怯だって言われるかもしれない。でも……」\ 言うしかない。@ 今しかない。@ 次のループなんて、待っていたら駄目だ。\ 告白するなら、今しかないんだ。\ 望 「冬木さん。俺はあなたが好きです!」\ ;暗転 千代 「えっ……!?」\ そして、ぐっと目を閉じる。\ 真っ直ぐに冬木さんを見てなんかいられない。\ 今は、目が合うだけで心臓が爆発してしまいそうだ。\ 千代 「……天宮くん」\ そして、落ち着いた冬木さんの声が届く。\ 千代 「私、知らなかったとはいえ天宮くんに悪いことしちゃってたんだね」\ 望 「そ、そんなこと――」\ 千代 「……だからね、お詫びにこれをあげる」\ 不意に右手を掴まれて、手のひらにぽんと何かを乗せられる。\ 望 「……?」\ 千代 「あはは、いつまで目瞑ってるの?」\ 望 「あ、そ、そうだね」\ ;背景校舎裏 おそるおそる目を開き、手の上にあるものを確認する。\ 手のひらに置かれたそれは――。\ ラッピングされた、ハート型のチョコレートだった。\ 望 「え、これ……!」\ 千代 「……天宮くん、勇気を出して告白して……偉いね」\ 冬木さんの柔らかくて温かい手が、俺の頭に届く。\ 望 「冬木さん?」\ 千代 「でもね」\ 望 「たっ!」\ その手でそのままでこピンをされてしまい、軽い痛みが額に走った。 千代 「振られた人にすぐ告白っていうのは、タイミング悪いぞ?」\ 望 「……ごめん。でも、今しかないって思って」\ 千代 「……謝ることでも、ないんだけどね。私も悪いことしちゃったし、だからそれは……お詫びなんだよ」\ 望 「お詫び……」\ 千代 「天宮くんの告白……いまは、受けることが出来ないから」\ 望 「……………………そっか」\ 駄目、だったか。\ 想定してた形に、落ち着いたかな。\ 千代 「私も、気持ちの整理がついてないし。それに――」\ 千代 「――天宮くんのこと、まだまだ全然知らないもの」\ 望 「……え?」\ 千代 「まだまだ、これから……ね?」\ まだ、希望がある。\ そのことを理解できた時、俺は力強く頷いた。\ 望 「ありがとう、これからもよろしく。……冬木さん」\ 千代 「うん、こちらこそよろしくね!」\ 冬木さんの笑顔が、俺の心を満たしてくれる。\ 僅かな勇気と引き換えに、俺はチョコと未来を手にすることが出来たんだ――。\ ユウ 『おめでとう、望さん。……そして、ありがとうございました』 望 「……?」\ ユウ 『いろいろと迷惑をかけましたね。本当に、すいませんでした』\ ふっと、体から何かが抜け出ていく気がした。\ 実体なんてなく、感触なんて何もない筈なのに、ユウが離れていくのがしっかりとわかってしまう。\ 望 「ちょっ……」\ 冬木さんの手前、大声を出して話すわけにもいかない。\ でも、俺はまだユウに礼を言ってないんだ。\ ループというきっかけを与えてくれたユウに、ちゃんと別れを告げなきゃいけないのに!\ ユウ 『……気持ちよく消えることが出来そうで、良かったです』\ さようなら。 \ 望が得た『温かい気持ち』、それを抱いたまま、ユウは消えた。@ まるで、夕日に溶けてしまったかのように。\ 千代 「天宮くん、どうしたの? 急にぼーっとして」\ 望 「大事な友達に」\ 千代 「え?」\ 望 「ちゃんとお別れが、言えなかったんだ」\ 千代 「……? えっと、良くわからないけどさ。その友達だって、生きてるんだったらいつかきっと会えるよ!」\ 生きてないんだよね、これが……。\ だけど、幽霊が友達だったなんて言うことは出来ない。\ 俺は、冬木さんに「そうだね」とあいまいな笑みを返しながら、心の中でユウへの別れを告げた。\ ;暗転 ;背景通学路 二月十五日。\ ついにループから脱出することが出来た。\ 多分、俺はこのことを誰にも言わないだろうし、言っても誰も信じたりはしないと思う。\ だけど、ユウは確かにいた。彼と共有した時間は、確かに俺が覚えているのだから。\ 望 「ループしててもしてなくても……人生なんて気の持ちようで変わるものなのかもな」\ 結局は、俺の周りはループする前と全然変わらない。\ 変わったのは、自分自身だ。\ ;背景 校門 千代 「おはよっ、望くん!」\ ……いや、唯一つ、変わったことがあったか。\ 望 「おはよう、冬木さん」\ 千代 「……にしし、やっぱりすぐには気付かないか」\ 望 「ん? あ、そういえばさっき、名前を……」\ 千代 「そうだよ~」\ 望 「あまりにもさりげなさ過ぎて、気付かなかったよ」\ 俺は、横に並んで微笑んでくれる冬木さんの顔を見て。\ 昨日得たものが夢ではなかったのだとしっかり実感できた。\ 千代 「一歩前進、だよ」\
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諸教宗教法人は294あり、うち天理教が287を占めています。 易道教 松戸市 1 生長の家 千葉市中央区 1 単立・諸教 市原市 1 船橋市 1 神崎町 1 館山市 1 天理教 いすみ市 6 旭市 3 印西市 3 浦安市 3 横芝光町 3 我孫子市 1 鎌ケ谷市 2 鴨川市 5 鋸南町 2 九十九里町 1 君津市 5 御宿町 1 香取市 8 佐倉市 12 山武市 3 四街道市 3 市原市 11 市川市 20 習志野市 4 勝浦市 3 松戸市 19 成田市 8 千葉市稲毛区 3 千葉市花見川区 6 千葉市若葉区 2 千葉市中央区 19 千葉市緑区 3 船橋市 18 匝瑳市 1 袖ヶ浦市 3 多古町 1 大多喜町 2 大網白里町 3 銚子市 11 東金市 4 南房総市 9 柏市 10 八街市 4 八千代市 6 富津市 6 富里市 3 茂原市 6 木更津市 6 野田市 15 流山市 7 神崎町 1 館山市 12 日本敬神崇祖自修団 市川市 1
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アルテ高崎 発足: 2000年 住所: 〒370-0861 群馬県高崎市八千代町2-3-6 アルテ高崎事務局 公式サイト: http //artetakasaki.jp/ 主要大会優勝歴: 群馬県サッカー協会長杯:5回(1999,2000,2001,2005,2006) 群馬県2部リーグ:1回(2000) 群馬県1部リーグ:1回(2001) 関東社会人サッカー大会:1回(2001) 関東リーグ:1回(2003)
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04(日)【4・3・2年】 交流試合10(土)【5・3年】 交流試合11(日)【3年】 交流試合【6・5年】 第20回ガルテン八千代杯少年サッカー大会試合結果17(土)【6・5年】 第34回全日本少年サッカー大会 姫路地区予選試合結果24(土)【5・4年】 交流試合25(日)【6年】 南甲子園カップ(6年生の部)試合結果
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2012/09/22 この日からスタート だった…ような… 10月半ばに消息を断ったのち12月末に仮復帰 年内目標Lv100を達成したのでこのまま復帰出来そうですね(ドヤァ はい 名前 職業 レベル 種族 概要 犬千代ちゃん マリオネ 102/50 エミル♀ 最初の娘。犬千代ちゃんマジ天使 半兵衛ちゃん バー 101/50 タイタ♀ 噂の半兵衛ちゃん。小倉 官兵衛ちゃん ネク 101/50 ドミ♀ 対の官兵衛ちゃん。実はよく知らない 五右衛門ちゃん コマ 101/50 エミル♀ 親方かわいい 最後の追い上げ…の前に五右衛門ちゃんの経験値のズレを修正 してから追い上げするつもりだったんだけど ちょっと今別ゲーで忙しいので牛アルマ来るころにまた そして牛くじ爆死 ねんがんのバルルをてにいれたぞ! +あれこれ 目標メモ 転生したい くじアルマ自引きしたい→白羽出た→出家 バルルかサラマンほしい→バルルきたわぁ イリスやりたい→まず挿す装備がないジャン! 強化やりたい→まず強化する装備がry つまり装備を
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千葉市 ちばし 関連項目 2002年館山ラン 2010年6月長南町 2018年度/行った所写真 い志い食堂 エーアトベーレ 千葉県道20号 千葉県道24号 和処居 国道128号 国道16号 山久 歴史的建造物一覧 生蕎麦みなみ 登戸の滝 自転車旅 若葉の湯 風呂一覧 この項目のタグ 2019年 2019年1月 「ち」 千葉市 千葉県 市町村 旅用語 タグ「千葉県」「市町村」がついた項目 旭市 / 我孫子市 / いすみ市 / 市川市 / 一宮町 / 市原市 / 印西市 / 浦安市 / 大網白里市 / 大多喜町 / 御宿町 / 柏市 / 勝浦市 / 香取市 / 鎌ケ谷市 / 鴨川市 / 木更津市 / 君津市 / 鋸南町 / 九十九里町 / 神崎町 / 栄町 / 佐倉市 / 山武市 / 酒々井町 / 芝山町 / 白子町 / 白井市 / 匝瑳市 / 袖ケ浦市 / 多古町 / 館山市 / 千葉市 / 銚子市 / 長南町 / 長生村 / 東金市 / 東庄町 / 富里市 / 長柄町 / 流山市 / 習志野市 / 成田市 / 野田市 / 富津市 / 船橋市 / 松戸市 / 南房総市 / 睦沢町 / 茂原市 / 八街市 / 八千代市 / 横芝光町 / 四街道市 タグ「市町村」「ち」がついた項目 茅ヶ崎市 / 筑西市 / 千曲市 / 秩父市 / 秩父別町 / 千歳市 / 茅野市 / 千葉市 / 中央区 / 銚子市 / 長南町 / 調布市 / 長生村 / 千代田区
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ひゃっかりょうらん・このはなちるひめ 鉱石の花吹雪が絢爛と舞う、石長(えいえん)の繁栄を象徴する霊的防御。 これに接触した禍津神は存在を反転され、陽の光へと変換される。 大地と縁は両儀揃いて太極の器と化している。そのため、今の彼らは属性の反転さえ可能としている。 稜威母、つまり伊邪那美の語源はその名の通り“いざなう”である。 此処ではない何処かへと他者を誘導することこそ本領であり、その本質は彼女の継嗣である彼らにも継承されている。 詠唱 千代に八千代に永久に、咲耶の如く二人を繋ぐ縁を想う 真の誓約を今ここに――百花繚乱・木花知流比売ッ! 名前 コメント